RTmetrics導入事例

株式会社 じぶん銀行 様

200万口座のネットバンクを支える
デジタルマーケティングで、
申し込みまでのドロップを大幅に
改善、
迅速なPDCAとセキュアな
環境を両立

株式会社じぶん銀行はKDDIと三菱東京UFJ銀行の共同出資により、2008年に設立されたネット銀行です。開業以来、「お客さまご自身の携帯電話にビルトインされた、お客さま専用の銀行として、いつでもどこでも手のひらで快適にご利用いただく」ことを経営理念に掲げ、口座開設から振込み、円預金、外貨預金、FXまで、全ての取引をスマートフォンで完結するなど、モバイルをメインチャネルとしたビジネス・モデルを展開しています。

また、親会社であるKDDIとの連携も活発で、2014年5月より共同でサービスを開始した「プレミアムバンク for au」では、auユーザーを対象に、ATM利用手数料や他行宛て振込手数料の無料化、円定期預金の金利優遇、カードローンの金利優遇などの特典を提供し、顧客基盤を順調に拡大しています。

行内の役割

  • 売上数字の責任を担う営業統括部と、個人ローンを受け持つコンシューマーファイナンス営業部は、それぞれの施策やプロモーションを企画しています。ネット銀行ですから営業は直接お客さま先に出向くのではなく、自行サイトのコンテンツ企画、広告やキャンペーンの設計、他社とのコラボレーションなど、Webからの契約や問い合わせなどを目的とした企画を立てます。
  • マーケティング部は、これを支援しつつデータを分析して、検証・改善を促す役割を担っています。アクセスログを活用して、Webページの検証や改善を進めながら、営業など他部門に向けて様々な指標レポートを提供しています。
  • システム部門は、銀行業務の勘定系などシビアなシステムを維持管理しています。一方で新しいサービスや商品も頻繁にリリースされるため、それに合わせたシステム構築や、Webサイトからスマホアプリまで、様々な顧客対応のプラットフォームの開発・運用を担っています。

顧客からの様々なコンタクトを一元的に分析

顧客はあらゆるデバイスから、銀行のサイトやアプリを利用しています。
日中にスマートフォンでメールをクリックして少し読み込んだ→電車を降りる→切断・・・・帰宅後にパソコンからキャンペーンを参照→コールセンターに問合せ・・・・・そのままパソコンでカードローン借り替えを申込み。引き続き、旅行予約サイトへの振込み処理。例えばこのような流れで、数日おいた再アクセスからカードローンの審査まで結果が出るパターンも少なくありません。

そしてサイトの構成は、勘定系システム・決済関連システム・カードローンシステムなど、連携する業務システムによってドメインが分かれています。

複数のドメインを経由する顧客の動きは連続してアクセスログを収集できるのか?
同一人物が時間差で違う種類のデバイスからアクセスした場合にも、1人の顧客として計測できるのか?
キャンペーンの正確なROI評価や動線分析には欠かすことができない内容です。RTmetrics導入時には慎重にこれらのテストを実施し、マーケティング戦略に重要なデータの検証が行われました。

またIT全体を管理する視点からは、導入後の運用について、各ドメインと連携する業務システムとの相互の関係について、見えてきた価値もあります。「業務システムの各種改変やネットワークの構成を変えることもありましたが、全く影響が無く、アクセスログの分析に支障が出ることもありませんでした」と吉川調査役には運用面の負担が少ないことも利点と評価いただいています。

営業・マーケ・システムが一体となって改善に取り組む

マーケティング部では、スマートフォンやタブレットからパソコンまで、様々な顧客からのアクセスデータを収集・分析しています。ビーコン型のログ解析ツールも一部併用していますが、金融取引というセキュアなアクセスログを外部に出すことはリスクが大きすぎるため、パケットキャプチャ取得も可能なHybrid型のRTmetricsを勘定系のサイトを中心に活用しています。

営業向けのレポートは、全体のアクセス量を表す一般的な指標のほか、キャンペーンの進捗チェック、広告などプロモーションのROIなど、施策の効果検証に必要な情報をマーケティング部がExcelなどに加工して提供します。また、経営会議などに必要なKPIデータとしてもアクセスログデータを定期的に活用しています。

社内全体で、毎月10案件以上の新サービスやキャンペーンなどが立ち上がります。「色々なところに網をかけて、できるだけ多くの施策を検証したいので、タグは必要無いし、口座取引などクリティカルな勘定系のシステムにも影響のないRTmetricsは非常に楽ですね」と、システム開発部の吉川調査役は語られました。

多くの企画や商品をフォローするマーケティング部では、コンバージョン率改善のPDCAでも大きな成果を挙げています。「ある商品では、広告からのランディングページをスタートに、最終的な取引申し込みフォームまでの経路分析を行った結果、途中のドロップ(離脱または他ページへの移動)を大幅に改善したこともありますよ」とマーケティング部の井上部長から成果を教えていただきました。集客を取引に結びつける、営業活動への重要な貢献です。

サイトのアクセス傾向を把握するには、他のツールを使う場合もありますが、異常値があったり予測を外れていたりする場合には、深堀り用に必ずRTmetricsのデータを使われるということでした。

PDCA高度化への期待

経営の視点では、ネット銀行としてデータに基づいた営業強化が、重要な課題となっています。システム担当役員補佐の滝沢氏は「アクセスログも含む社内のデータを一元管理・活用した情報系の仕組みを企画して、営業やマーケティングの強化・高度化を目指すことが急務となってきました」と、新たな取組みについてもお話しくださいました。

定型的なレポートで、営業活動の結果を確認することに加え、各部門のPDCAをスピーディー且つきめ細かく回していくため、社内の様々なデータを統合して活用できる仕組みづくりに着手されています。さまざまなデータを統合することで、よりきめ細かい施策や顧客管理が可能になると大きな期待を寄せられています。全ての訪問者の全クリック情報を取得するRTmetricsを、より広く活用されることでビジネス全体を支援する新しいインフラができあがることでしょう。

  • 役員補佐
    システム担当

    滝沢 卓 氏

  • マーケティング部
    部長

    井上 直樹 氏

  • システム開発部
    調査役

    吉川 幸伸 氏

株式会社じぶん銀行

  • URL

    https://www.jibunbank.co.jp/

  • 会社名

    株式会社 じぶん銀行(現:auじぶん銀行株式会社)

  • 本社

    東京都中央区日本橋1丁目19番1号
    日本橋ダイヤビルディング14階

  • 代表者

    代表取締役社長 鶴我 明憲

  • 資本金

    350億円(2015年4月現在)

事業内容

インターネット銀行